多分これは誰もがそうだと思うのですが、
過去の嫌な事や恥かしい事、また、とても辛かった時の事などを、
できるなら自分の記憶から消し去りたい!と思っている人は多いと思います。
他にも、嫌な事どころかトラウマになってしまった事なども
記憶から消し去りたい人もいるかもしれません。
しかし、こういった記憶から消し去りたい事こそ
一度は受け入れる必要があると私は思うのです。
というのも、こういった自分の中から消し去りたい記憶というのを
受け入れることが出来ず「無かったこと」にしてしまうと、
後になってその消し去りたい記憶が原因となって問題が起きてきたり、
悩みの種になってしまう場合があるからです。
しかもその起きて来た問題や悩み事の大元になっている原因の部分を
無かった事にしてしまっていると(原因がなかなか特定できなくて)
解消できなくなってしまうケースが出てくる可能性があります。
例えば、過去に辛いいじめにあった人がその事を無かった事にし、
その辛いいじめにあった事に対して自分の中で何かしらの答えを出したり、
ケジメをつけずにそのままにしていた場合、
そのいじめをして来た相手に対して仕返しをしてやりたいという気持ちが
心のどこかに留まり続けることがあり、その仕返ししたい気持ちが原因で
例えば自分より立場が低い人や弱そうな人に対して、
いじめをする側の人になってしまう場合があるのです。
ただ、弱いものいじめの場合は、自分の内面のケジメ以外にも
自分の中にある劣等感を押さえきれずに弱い立場の人に当り散らす場合もあるので
一概に昔のトラウマがそうさせてるとはいえない場合もありますが、
なんにしても心が弱っている人(弱い人)の場合、更に自分より弱そうな人を
ストレスのはけ口にする傾向があるのは確かだと思います。
さて話をもどしまして、
嫌な事や辛かった事、またはトラウマを無かった事にしてしまうと、
自分の心の中でそれについてケリ(ケジメ)をつける事ができません。
しかし、人に嫌な事をされた記憶というのは、自分の中でケジメがついていなければ、
いつかは仕返しをしてやりたいという気持ちが湧いてくるのが普通だと想うのです。
ただし、人というのは仕返しをするという事自体が
悪い事だとほとんどの人が自覚しているので、
普通の人はその想いや感情を隠そうとします。
つまり、二次的に湧き出た感情をも
無かった事にしようとするわけですね。
しかしそうしてしまうと、
ふとしたキッカケでその想いが表に出てきた時に、
大きな問題となってしまう事が結構あるのです。
例えば家庭内暴力のDVや子供の虐待とかは私も耳にしたことがありますし、
ニュースで時々凶悪な犯罪が放送されることがありますが、
ああいった見るに耐えない犯罪も、
元は自分の心の中にある物事にケリがつけれて無いから
ふとしたキッカケで起きて来たのかもしれません。
まあ、そこの所は置いといて、
問題点としは、過去にあった出来事を無かった事にし、
その時自分の中で起きて来た(湧き出てきた)感情や想いを、
未消化のまま(未解決のまま)ケリをつけずに無かった事にしてしまうと、
後々になってそれが大きくなって表に出てきてしまう事がある。という所です。
そしてこういった事にならない為に
問題になっている原因を解消する方法のひとつとして、
どんな事でも一旦すべて受け入れていく。
という事をしていくわけです。
そしてこれが完全に出来れば、
もう自分の中で無かった事にはできません。
必ずその事に向き合わなければならなくなります。
これが出来れば、
何が原因で今こんな大失敗をしてしまったのかが
自分でも理解できてくると思います。
そして理解できれば、
次はどうすればいいかが分かってくるはずです。
後はその考えを行動に移していけばその問題も解決していくでしょう。
まあ、自分と向き合うというのは、
なかなか簡単には出来ない場合もありますが、
一旦全てを受け入れてしまえば気持ち的に楽になれる場合も多いので、
個人的にはおすすめしたいところです。
しかし、無理矢理にでも自分と向き合わなければいけないという訳でもないので、
辛いトラウマがある人は、あまり無理はしない方がいいかもしれませんね。