今までは特にアメリカ大統領の就任演説というのは気にしておらず、
毎回無難なありきたりな演説で終るとばかり個人的に思っていたので
まったく気にしていなかったのですが、
最近、トランプの行動や言動があまりにもジャイアン的なので、
この人はいったい何がやりたいんだろうか？と思い、
アメリカ大統領の就任演説の全文が
英文と共に日本語に翻訳されているサイトがあったので
読み返して見ました。
そしてざっと今、読み返してみたのですが、
これは、一言で言うと独裁者国家のトップが演説している内容ですね。
言い換えてかくなら、ヒットラーの演説です。
簡単に内容を抜粋して書くと、
私が大統領になったからには、アメリカ国民には損をさせません。
今まで一部の人達だけが富を得ていた所を
今度は私達全員が富を受け取る番です。
アメリカという国の仕事を回復させ、
国境を回復させ、富を回復させ、私たちの夢を復活させます。
貿易や税金や移民や外交に関するあらゆることの全て決断は、
アメリカ国民の利益となる様に行われる。
ただし、国の為に全ての国民は血を流す必要がある。
ただ私たちは神に守られてるし、軍隊と国の法律に守られている。
そして一緒にアメリカを強くし、豊かにし、誇り高くし、安全にする。
最後に神様に祝福し、
神様もアメリカを祝福してくれますように。
と祈願して演説が終わりました。
ただこれについては、
アメリカ国民なら耳障りのいい話に聞こえるかもしれませんが、
結局全部、アメリカさえよけれ他の国はどうなったってどうでもいい。
という宣言ですね。
そしてこの演説の酷いところが、
アメリカ国民だけに神に守ってもらうように宣言し
私たちは特別な人種なんだと思わせようとしてるところですね。
まんまヒットラーですよ言ってる事が。
しかし、この演説の全文を読んでみて思ったのが、
自国の産業（地元の工場）が他国にどんどん進出していき、
自国アメリカの地域産業が空洞化していった事に対して、
自分達のせいではなく、他国のせいだとしている所に疑問が湧きました。
（明確にどこの国がといった事は言っていませんでしたが、
そのように受け取れるような言い回しをしていました）
しかし全世界の経済活動の根本にある資本主義という構造が、
このアメリカだけでなく、他の国も同じ様にそうさせているのに、
そこの部分は全く触れず、さも自国は被害者だと言ってる風なのが、
トランプ（いやアメリカという国）の傲慢さを浮き彫りにしていますね。
多分、トランプ自身も分かってて言ってたのでしょうが、
この演説を聴いて心底その通りだ。納得できる！と思えるアメリカ国民は、
ほぼ居ないのでは無いでしょうか？もし居たとしたら、相当な無知か、
全く勉強をしない人か、自分さえ良ければいいという人だけな気がします。
しかし、今のアメリカの問題になっている麻薬にしても銃犯罪にしても、
全部商売というか金になる為にやってきたからそうなって来た訳でして、
それを正そうと言うのは正論かもしれませんが、
今のアメリカでは実行は不可能でしょう。
自分さえ良ければという考えがあるかぎりは。
あと、いやらしいなと思ったのが、演説の終盤に入ってくると
神が守ってくれると要所要所で言ってたのですが、
信仰の深い人はこういった言葉を言われてしまうと
悪い気がしないでしょうから、うまく話しにはさんで来たなと思いました。
例えば、盲目的に何かの宗教にはまり込んでしまう人の中には、
あなたは神に祝福されている。とか神に守られている。といわれるだけで、
どんなに不道徳な事を強要されようとも、全部受け入れてしまう人がいるわけです。
ただまさか、アメリカ国民に
そういった人はまったく居ないとは思いますが、
もし居たとしたら、この演説はかなり
心地よい演説だったに違いありませんね。
しかし、なんにしても、アメリカの国益を最優先にし、
私たち国民全員が富を得る。というこの宣言は、
アメリカ以外の国からすれば、
アメリカが経済的に宣戦布告をしてきた。
と同じ意味で受け取れる話だと思います。
しかも、軍事力は全世界の中でもトップですので、
今までも日本にしてきたように、国を挙げてゆすりたかりを
全世界的規模でおおっぴらにやってくる事でしょう。
なんせ、アメリカさえ良ければ他国はどうでもいいと宣言しているのですから。
そして、今日のニュースでは、
このトランプがメキシコに国境を作ると発言した事による影響で、
全世界が巻き込まれてしまった話が出ていました。
ただこれについては
具体的にどうなるかもう少し様子を見た方が良さそうですね。
ほんと厄介な人が大統領になったもんです。
